スペシャル三者対談 山崎貴 × 松坂桃李 × BUMP OF CHICKEN

スペシャル三者対談 山崎貴 × 松坂桃李 × BUMP OF CHICKEN

撮影について

——そんな映画に主演俳優として抜擢されたのが松坂桃李さんで。2013年の「WILLPOLIS」ツアーのオープニングムービーでは、主人公はセリフを発しなかったので、それを演じているのが松坂さんだとはメンバーとスタッフ以外わからない状態での出演となりました。バンドのファンでもある松坂さんとしてはもどかしさも感じたのではないかと思ったのですが、いかがでしょうか?

松坂
(笑)。そうですね、「あれは俺だ!」って言いたかったぐらいなんですけど、非常に嬉しくて。今皆さんが話されているのを聞いて、3年前から始まった「WILLPOLIS」という物語に自分が関われたっていう喜びを今強く感じています。もちろん最初からすごく嬉しかったのもあるんですけど(笑)。3年がかりで出来上がった作品のなかに自分が参加できるのは、嬉しくもあり、不思議でもあります。

——主人公であるモーリはCGで描かれていますが、モーションキャプチャシステムで松坂さんの動きを取り込んだんですよね。

山崎
今回は「パフォーマンスキャプチャ」という、モーションキャプチャのもう一段階上のシステムを使ったんです。ヘッドカメラも着けてもらって、体の動きと同時に表情も撮影したので、あの主人公はもう松坂くんそのものなんですよ。あんまりそのあとでアニメーションで加工したりはしていないので、もうほぼ本人。

——撮影はどれぐらいかかりましたか?

山崎
松坂くんパートは1日でした。

——演技指導はなされたんですか?

山崎
最初にこんな感じで、って話しただけです。松坂くんは勘がいいのであとはもうお任せでした。

——松坂さんが最初に「WILLPOLIS」の世界に触れたのは監督が描かれた絵コンテだったんですよね。BUMPの作品に関わるという側面からの気持ちは先程お聞かせいただきましたが、純粋にご自分が出演される短編映画として捉えたときにはどう思われました?

松坂
なんて言うんですかね……実は僕も妄想することが好きなんですけれど、自分が寝る前に妄想するような、ちょっとワクワクするような、そんな世界が絵コンテからすごく感じられました。撮影の前に絵コンテを渡されてから、自分の中で仮設定を勝手に作ったりして。「このシーンに行く前にはこういうことがあるんだろうな」とか(笑)。仲間との出会いとか、この旅は最初はどこからスタートしたんだろうな、とか……。
藤原
それを今度全部教えてください(笑)。
全員
あははは!(笑)

——パフォーマンスキャプチャ用のスーツを着た状態での演技はいかがでした?

松坂
初めての経験で、とても面白かったです。本当にモジモジくんみたいだったんですけど(笑)。
直井
プラス、バンジージャンプ用のリアクションカメラみたいなのを着けて。
松坂
そうそう、リアクションカメラみたいな(笑)。
直井
それが、でもめちゃくちゃサマになってたんですよ。
増川
それがすごいよね。
藤原
普通は面白くなるはずだけどね。
増川
その状態の松坂くんが演技しているのを見てると、いつのまにかこっちも感動してるんですよ。
直井
もちろん、松坂くんがそこにいてセリフを喋ってて、っていうのはわかってるんだけど、まるでそこにこう飛空挺があったり砂漠が広がってたりと情景が見えるようで。
藤原
僕たちにも情景が想像できるような現場で。
直井
僕ら、桃李くんのアップの顔も常に見れるし、動きも見れるし。すっごい贅沢な時間でした。

——BUMP OF CHICKENの4人が見ている前での演技はだいぶ緊張されたのではないかと思いますが。

松坂
松坂 いやぁ緊張しましたね! ホントに、できれば別室にいてほしかった(笑)。
全員
(爆笑)
松坂
好きすぎるが故になんか恥ずかしくなっちゃって(笑)。
直井
ホントだよね! でもね、ごめん!「見たいな」って思っちゃって。だってもう一生見られない光景かもしれないし、監督が「そこで見てていいよ」って言ってるから、OKなんだろうなって(笑)。
松坂
でも後半からは序盤の緊張もなくなって演技できていたかと思います(笑)。

完成した短編映画を観て

——出来上がった短編映画を初めて観たときの感想を教えてください。どんな気持ちが胸に去来しましたか?

直井
監督とごはんを食べながら話していた話が、こういうふうに現実になるんだなぁと。盛り上がって話していたことが形になるんだな、とそれにまず驚きを覚えて。
作品自体もワクワクするし感動するし……子供の頃からこんな世界が見れたらいいなって考えていたことが映像になったような。最初「GOLD GLIDER TOUR」のオープニングムービーを見たときに、僕ら冗談で「早く本編作ってくださいよ」って言ったぐらいで(笑)。
山崎
あはははは!(笑)
そのときは僕らももちろん次のツアーが「WILLPOLIS」になるなんて考えてなかったですけれど。でも、1枚の絵を観ただけでワクワクできる作品であって、それがさらにストーリーになって……うまく言えないんですけど、幸せに思いましたね。
藤原
僕たちはモーリのことを「GOLD GLIDER TOUR」のときも観ていたし、監督が描いてくださった絵コンテの中にもいたのも観てるから、すごく身近に思っていたんです。そのモーリの中に桃李くんが命を吹き込んだんですよね。なんかそれで、すっごいカッコいいと思って。本人を目の前にしてなんなんですけど、桃李くんが動いてセリフを喋ってくれたことで、モーリがすごく生き生きとして、さらに切実さみたいなものが映像から伝わるようになって。だから桃李くんが演じてくれて本当に良かった、と僕ら心から思ってます。
直井
桃李くんがいろんな番組で僕らのことを好きだって言ってくれているのを知ってから、僕らもすごく桃李くんのことが気になって。映画や舞台を観たりして、本当にこんな素晴らしい人が僕らと一緒にお仕事をしてくれるのかと思って。そして、実際に完成した映画を観たら、桃李くんが演じてくれたことで本当に生き生きとして。だからなんか……ありがとう。
松坂
こちらこそありがとうございます。
藤原
桃李くんが演技をしたモーリがLITTLE BRAVE号の甲板でハッとした顔をするじゃないですか。あの動きを観たときの「うわっすごい!」っていう衝撃が半端なくて。本当にモーリは苦労して切実な思いで「WILLPOLIS」を探しているんだなと。その姿に僕らは力をもらって。僕らにとっては本当に、ツアーを回るパワーをくれる作品でした。……それから、夕暮れの中、モーリがすごく印象的な強い目線で遠くを見つめているシーンがあるんですけど、カメラが後ろからぐるっと正面に回り込む感じでモーリの顔を捉えるときがすごく好きで。あそこすごくカッコいいです。僕らだいたい、ツアーのオープニングムービーをリハーサルのときに観るんです。で、観るたびに感極まってました。
直井
結構儀式みたいになってたよね。藤原くんはね、いつも客席に降りてちゃんと正面から観るんです。
藤原
客席の一番後ろまで行って。
直井
僕はね、ステージ上でストレッチしながら画面の裏から観るんです。そうやってみんないろんなところから観て。それでライブへのスイッチが入るんです。

——松坂さんは完成した作品を見ていかがでしたか? 初の演技の形だと思いますが。

松坂
生身で演技したことがCGになったのを観て、それが自分だと思うのが不思議で。ちゃんと命が宿ってるんだなというのがものすごく感じられました。出演した作品の中で演じた役柄のことを「自分が演じたんだな」ってあんまり思わないほうなんですけど、モーリを観たときには「もうひとりの自分っぽいな」と思いましたね。子供の頃、ゲームで遊ぶときにキャラクターに自分を投影していたような感覚に近いのかもしれないんですけど、自分の目で「WILLPOLIS」の世界を観られるなと思って。すごく不思議な感覚でした。
直井
その話を聞いたら、僕らのことも監督にCGで作ってほしくなっちゃった。その感覚を味わってみたくなっちゃった。
藤原
10割増ぐらいで作ってもらって。
山崎
あ、ほらほらこれ、危ないでしょ?(笑) 無茶ぶりはこうやって始まるんですよ(笑)。
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